2010年3月30日
海外からの汚染物質の監視・調査について


○古川(禎)委員 ありがとうございました。今後も非常事態での危機管理に備えた総合的な法体系の整備ということをともに考えてまいりたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。きょうはありがとうございました。
大気汚染防止法も水質汚濁防止法も、ともに国内の事業者による排出を規制することによって生活環境保全、国民健康の保護を目的としておるわけです。お手元に配付をさせていただいております資料をごらんいただきたいのですが、直観的に御理解をいただけるものと思いますけれども、地球は一つでありまして、物質の移動に国境はないのでございます。つまり、国内を監視するだけでは、国民の健康を守り、生活環境、自然環境を守るということは難しい、そういう時代だと思います。
実際、九州では近年、光化学スモッグ警報がたびたび発令されておりますし、学校閉鎖も続いております。これは本当に深刻です。どこからその物質が来ているかというと、近隣の国に発生源があることは明らかなんです。
考えてみると、日本列島はユーラシア大陸の東にあって、太平洋の西にあって、海流もぶつかるわけです。ですから、近隣の国々からやはりいろいろなものが集まってくるというロケーションであります。逆に、これを前向きにとらえると、日本列島はこの位置で網を張ると近隣の情報も全部とれるという位置取りでもあるわけですね。つまり、周辺地域の実態調査をすることによって国際貢献ができるんだという考え方もできると私は思うんです。
環境立国日本ですから、やはりそれぐらいの視野を持って臨むべきだと思っておるんですが、こういう海外由来の有害物質について、日本近海もしくは大気中において定点観測等の監視をしているのか、どのようなデータを集めておるのかということについて、簡単にお知らせください。
○鷺坂政府参考人 海外からの環境汚染物質の監視をする仕組み、あるいはデータ収集ということでございます。
酸性雨等につきましては、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク、これは十三カ国が参加しておりまして、酸性雨、あるいは大気の汚染物質でありますSOxとかNOx、こういったものの観測を実施させていただいております。
それから、黄砂につきましては、二〇〇三年から黄砂の飛来情報をモニタリングいたしまして、環境省のホームページを通じて情報提供する仕組みを二〇〇八年に構築させていただいているところでございます。
それから、漂流・漂着ごみにつきましても、北西太平洋地域海行動計画、これは国連環境計画の地域海計画と呼ばれる取り組みの中の一つでございますけれども、そういった仕組みによりまして、この計画は四カ国、日本、中国、韓国、ロシアで採択されておりますが、各国政府による漂着ごみに関するモニタリング、情報交換あるいは海岸清掃キャンペーンの実施とか、そういった取り組みが行われているところでございます。
○古川(禎)委員 ありがとうございます。これはやはり貴重なデータだと思いますので、さらに範囲も広げる方向で蓄積をしていっていただきたいと思います。
人工衛星の「いぶき」、地球温暖化対策を目的として、全地球的なデータをとることを目的に日本が打ち上げたわけですけれども、これに限らず、例えば津波の予測情報についても、やはり我が国が世界に対して重要な役割を担っていると思います。同じように、地球規模での有害物質汚染あるいは有害物質の移動というようなことに関して、地球規模でデータを収集して、そして同時にこれを世界に公開し発信していくということも、環境立国日本の一つの役割ではないのかなと私は思うんです。
かつて、チェルノブイリで事故がありました際に、放射性物質がヨーロッパに及ぶ、そのデータが非常に役に立ったというようなことがあったわけです。実際、中央アジア地域では核実験等が行われておって、その放射性物質がどのように飛来しているのかしていないのか、そういうことも明らかになっていないんです。これは考えようによっては恐ろしいことだと僕は思っています。
放射性物質に限らず、PM、粒子、その他さまざまな物質が現代はあるわけですね。こういうものに対して、日本の近海や日本の大気に限らず、全地球的に日本が率先してデータの収集、公開を目指すということは日本の使命ではなかろうかというふうに私は考えておりますが、大臣の御所感をお伺いいたします。
○小沢国務大臣 まさに地球規模での日本の役割、そういったものを環境先進国として果たすべき、こういう委員のある意味では御指摘、激励、本当に私も前向きに対応させていただきたい、こう思います。
冒頭の質問でも申し上げたんですが、本当に、日本は公害を経験した国として世界に果たすべき役割も大きい、こう思っているところでございまして、そういった意味では、「いぶき」の例も挙げていただきましたが、温暖化のみならず大気の状況、水の状況、そういったあらゆることに対するデータも、地球規模でとれるものはしっかりとって、あるいはまたその対応策もしっかりと各国に示していける、そうした環境先進国を目指していくためには何が必要なんだろうか、そういう観点で今検討させていただいているところでございます。ぜひ御指導をいただきたいと思います。
○古川(禎)委員 環境先進国としての意欲を持っていただいておるというお話で、大変ありがとうございます。
環境先進国を自負して、それを目指していくという、これは大事なことでありますけれども、同時に、私たちは、自然への畏敬の念といいますか、知っていることよりも知らないことの方が多いんだという、人知の限界への謙虚さというものを失わずにやっていかなければならないなと思います。
いずれにしても、新しい時代が参りまして、その中で我が国の環境行政が世界を引っ張っていくんだ、人類の福祉に貢献するんだ、そういう志を持って今後ともお取り組みいただきたいと思います。
どうもありがとうございました。