2011年4月7日
【国会質問】災害対策特別委員会〜東日本大震災@〜


次に、古川禎久君。
古川(禎)委員 原発事故によりまして避難をしておられる方々の不安と疲れは、ピークに達していると思います。心からお見舞いを申し上げます。
一方、政府の避難のあり方についての姿勢というものがあいまいであって、私は、そのためにかえって現場に困窮と困惑を広げているという気がしてなりません。
例えば、原発から半径二十キロないし三十キロの、これは屋内退避という指示が出ているわけですけれども、ここは、御存じのとおり実際は、事実上生活ができない状況になっております。これを避難指示に切りかえてほしいという声が当然聞こえていると思いますけれども、どうされますか。切りかえるのかどうかというようなこと。
あるいは、原発から二十キロ以内、ここは避難指示ということになっているわけですが、一時帰宅をする、あるいは行方不明の家族を捜索したい、当然このお気持ちは理解するわけですけれども、こういう動きがある、しかし危ない。だから、これを立入禁止とできるような、法律の裏づけのある警戒区域として指定をするべきではないかという要望が上がっていることと思いますが、それについてはどうされるのか。
あるいは、チェルノブイリ事故の場合は、甲状腺がん等の多発した地域というのは、原発から同心円状のエリアにということではなくて、風向き、降雨の状況、あるいは地形、そういうものによってまだらに分布をしているわけですね。
今回、住民の健康被害を極小化させるということを考えますと、単純に、二十キロ、三十キロという円をもって判断するだけでは足りないのではないか、十分ではないのではないかという考えを私は持っておるんですが、その点、この避難のあり方について、政府はどうされるお考えですか。
○中山大臣政務官 古川先生、知識があって、そのとおりでございますが、線量によっていろいろ、その地域の危険度というのは大分わかるようになってまいりまして、モニタリングをいたしております。
ですから、今言った甲状腺の場合も、これなんかも、沃素をはかったときに、その一週間前のことはわからないわけですね。ですから、お子さんが一週間前に吸っている可能性もあるということで、これも厳密にやっていかなければならない。
というのは、沃素の場合は、大体八日ぐらいで消えていきますので、痕跡すら残らないということがある。ですから、今のモニタリングというのは非常に重要な点があります。ただし、それは三十キロより超えても濃いところがあるわけですね。または、二十キロ以内でも薄いところがある、これも事実でございます。
実は、私、福島に行っておりましたけれども、帰ってまいりまして、東大で全部スクリーニングをしました。その結果、東京にいる人よりむしろ低かったんですね。これは何に原因があるかといえば、ひょっとしたらば、食べるものが東京から来たもの、または安全なところから来たものを食べていて、中での内部被曝はなかったということで、むしろ逆に、東京の人が汚染されたものを食べていれば、それが出る場合もあるわけです。ですから、非常に複雑な部分がございます。
それから、避難地域でございますが、二十キロを設定したのは、汚染されているとかなんとかの問題よりも、この四つのプラントの多くの状況からいいますと、まだ完璧だというわけじゃないわけです。ですから、最低でも二十キロのところの避難の距離と時間が欲しいということでこれは設定をしているわけでございまして、ここに汚染があるから、汚染がないからということではないわけですね。
それが一つと、この二十キロから三十キロの中も、私、十分視察をしました。今、生活実態が生まれてまいりまして、南相馬なんかは、もうコンビニもスーパーもSSも全部立ち上がっているんですね。そこで生活している人たちを強制的に外へ出すということも、これは非常に難しいことで、できる限り屋内で退避をしてください、車で出てもいいですよという指示を官房長官から出しました。 都会で考えると、車で出るのは一々大変じゃないかと。ところが、私たちが生活実態を見ますと、農村の場合はほとんど車で移動しているんですね。家と家の間隔がすごく離れています。買い物も車で行く。ですから、これは適切な指示であったというふうに思いますので、その辺を御理解いただきたいと思います。
○古川(禎)委員 ということは、現在の避難の指示のあり方に変更の予定はないということですね。
いずれにしても、現地の皆さんは、日々の生活難、あるいは将来への不安、これから生活をどうしていこうか、そういう問題に直面をしているわけですね。日々刻々それに直面しているわけなんです。そこに対して明快な姿勢を、例えば補償の行方も含めて政府がきちっと示してあげなければ、生活が成り立たないということですから、ここは大事に考えていただきたいと思います。
次に、原発事故について御質問をいたしますが、これは取り返しのつかないことになってしまったと思います。現代の文明生活を謳歌する一人として、私は、今の世代の私どもは取り返しのつかないことをしてしまった、特に子供たちに対して取り返しのつかないことをしてしまったという非常に大きな衝撃を受けております。
地震が発生した直後、制御棒が挿入されて原子炉は停止をいたしました。さすが日本の原子力技術ですね。しかし、その後がいけないわけです。日々刻々深刻化していく事態。まさに、これはある意味人災である、あるいは危機管理の失敗である、そう言わざるを得ないと私は思うんです。
中山政務官にこの具体的な封じ込め策についてお伺いをしたいわけだけれども、その前に、一つどうしても私申し上げたいのは、危機管理というものは、最悪の事態を想定してなされるべきものであります。しかし、今回の政府の対応を見ていますと、どうも、炉心は大丈夫だろう、燃料プールも生きているだろう、外部電源をつなげば電気系統も生き返るであろう、そういう楽観的なシナリオのみによっているのではないか、そう思わざるを得ないんですね。その結果、次から次に起こる深刻な事態に対して、常に対症療法的に、後手後手に回るような対応しかできない、こういうことではないかと私は思うんです。
菅総理大臣が、震災発生翌日の三月十二日の早朝、本来でしたら、情報をかき集めて、対策の指示を官邸で打たなきゃいけない大事な初動のタイミングですよ、そのときに、ヘリで原発の一つを視察に行かれた。それによって決定がおくれ、作業がおくれたということの指摘が政府内でも上がっているということを聞いておりますが、これは大変問題ですね。
しかし、それ以上に私問題があったと思うのは、視察に行かれた総理が、何の根拠があってそういうふうにおっしゃったのかわからないんだけれども、大丈夫だ、危機的状況にはならない、そういう見解を示された。実はこれが、その後の最悪の事態も想定しながら打たなきゃならなかった危機管理、それを楽観的な部分に限定させてしまうことになったんじゃないか、私は、返す返すも、そういうふうに思われて残念でならないんです。
だって、あの地震のあった当日夜において、既に保安院も、冷却しなければ大変なことになるということはよくわかっていたわけじゃありませんか。
そして、総理がヘリに乗って現地に飛ぶ前の時点で、既に放射性沃素の高いレベルが検出されているわけでしょう。これは、炉心が損壊しているということを示す証拠じゃありませんか。そういう状況の中で出かけていって、大丈夫だ、そういう楽観的なところに政府の危機管理の方向性を限定してしまった、これは痛恨のきわみだと僕は思うんですよ。この原発の危機管理というものは、私は、政府の重大な瑕疵があると思っております。
いずれにしても、最悪のことを想定して、あらゆるオプションを排除せずにやるべきものだと思いますが、中山政務官、政府において今、今私が申し上げたようなことも踏まえて、こうだという対策をとるんだということを示すものがあればお知らせください。
○中山大臣政務官 本当に、与野党協力して、今のこの深刻な事態を解決しなければいけませんが、あの一号機ができた四十年前から、いろいろ、政府のずっと原子力政策をとってきた中に、確かに、長い間、最悪の事態を想定してやっていたかどうか、これは歴史を振り返って検証しなければいけない問題だということをまず申し上げます。
それと同時に、私たちも、例えばベントをするときに、このベントを今すぐすれば炉内の圧力が下がる、わかっていても、本当に放射能を少しでも外へ出すことがいいことか悪いことか、いろいろなことを考えながら、その場で一番いいことをやっていこうということでやっております。
例えば、私たちは、どんなアイデアでもしっかり考えてやろうと、公明党さんからあのキリンの放水車も御提案をいただいて、すぐに採用いたしました。
与野党を問わず、いいアイデアであればどんどん使おうということで、幾つもシナリオがあるんです。そのシナリオ、これがだめだったらまたこれをやる、これがだめだったらこれをやる、かなりいろいろなものを積み上げてきて今やっているわけでございまして、例えば、海江田大臣の下にも私的な諮問機関もつくっています。
そこでいろいろなアイデアを出してやっているわけですが、中には、放射能の汚染水が、この機械を使えば汚染がなくなる、でも、その機械が本当にそうかどうか、それも確かめようとか、本当に細かいことでも我々は検証しながら、何とかこの緊急事態を回避したい、このように考えているわけでございまして、決して、日々の努力を怠ったりはいたしておりません。それは御理解をいただきたいと思いますし、今後とも、与野党を挙げて、ぜひ皆さんのいろいろなアイデアを、全世界のアイデアを集めてやっていきたい、このように思います。
○古川(禎)委員 一生懸命、必死になってやっていただいていることはよくわかっております。 ただ、私が申し上げたかったのは、危機管理というものは、最悪のことも想定しつつ、あらゆるオプションを排除してはならない。ぜひ、三月十一日の時点に立ち戻って、将来のことを見据えた上で対処していただきたい。
そして、今政務官もおっしゃったように、世界のすぐれた知見に敬意を表して、やはり耳を傾けるべきには傾けるというぐあいにしてやっていただきたい。
行き当たりばったりに、作業員のみを危険な場所に赴かせるということのないように、例えば、たまり水あるいは海水汚染の問題もあるけれども、将来的には、これをどうしてもやはりピラミッドのごとくコンクリートで閉じ込めなきゃいけなくなるでしょう。もちろん、コンクリートで直接やったら一酸化炭素が爆発しますので、単純にすることはできないけれども、そこで知恵を集めて、それに備えた準備を、今全国の生コン業界の方なんかとも一緒になって、もう既に準備を始めるべきではないか。常に最悪の事態を想定して、今からでも手の打てることを打っていただきたい。
ぜひ、これは総理大臣にもお伝えいただきたいんですけれども、国民に対して誠実であっていただきたい、そして、批判を受けるようなことであっても、決断をするにおいて勇気を持っていただきたい、そして、国民に対して、大本営発表というふうに思われないようなきちんとした情報提供をお願いしたい、それを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございます。