2010年5月28日

「口蹄疫対策特別措置法」成立


 
5月28日、口蹄疫対策特別措置法が可決、成立しました。
 法案作成にあたって、自民党のプロジェクトチームの努力には大きなものがあったと自負しています。特に、江藤拓議員(宮崎2区)の体調を崩しながらの頑張りには鬼気迫るものがありました。
 一方で、手放しで喜べないのは、やはり未だ途上であるということ。そして、一ヶ月遅かったことです。すぐに届くはずの荷物が一ヶ月遅れたわけで、政府の危機管理の失敗は、いずれ厳しく問われなければなりません。

法律のポイントは以下の通り。




口蹄疫対策特別措置法案のポイント

第一 趣旨

この法律は、平成22年4月以降に発生が確認された口(てい)疫によって生じた事態を一日も早く沈静化するため、口蹄疫のまん延を防止するための措置や費用の負担などについて特別措置を定めるものです。

第二 口蹄疫のまん延を防止するための措置

一 車両等の消毒の義務

農林水産大臣が指定する地域内で消毒ポイントを通行する者に対してその車両等や身体の消毒を義務付けすることとなりました。

二 口蹄疫にかかっている又はかかっているおそれのある牛や豚の死体の焼却又は埋却の支援

@    農林水産大臣が指定する地域内においては、口蹄疫にかかっている牛や豚等の所有者は、家畜防疫員に、死体の焼却・埋却をするよう求めることができるようになりました。

A    国や地方公共団体は、土地の確保、埋設の作業に従事する者の派遣等の支援をすることとなりました。

三 口蹄疫にかかっていない牛や豚の殺処分等

 口蹄疫にかかった牛や豚の処分や移動制限などだけでは口蹄疫が急速かつ広範囲にわたってまん延することを防ぐことができず、やむをえない場合には、予防的に、口蹄疫にかかっていない牛や豚を処分するができることとなりました。

具体的には、

@    都道府県知事による緊急時の予防的な処分の勧告又は自ら行う処分

A @により、牛や豚の所有者が受ける一般的な損失の額の全額の補てん又は補償*

  B 都道府県による埋却等の費用の交付

などについて定めています。

* 具体的な内容は、政令で定められることになります。

四 農林水産大臣の都道府県知事に対する指示等

 農林水産大臣と都道府県知事との関係で、一から三の消毒、埋却、予防的な処分やワクチン注射について、一定の要件の下で、農林水産大臣が知事に指示することができたり、自ら実施したりできるようになりました。

五 その他

@ 焼却又は埋却は、と殺場所のできるだけ近くで行われるようにすること

A OBなどの人材を活用して家畜防疫員を確保すること

B 増えすぎた子豚を収容する仮畜舎を建設しやすくするなどのために必要な農地法上の措置をとること

C 不要不急の催物の開催の停止の要請等

D 口蹄疫にかかっていることの判定の迅速化のための措置

E 口蹄疫のまん延を防止するための措置については、関係者の意向を尊重するなど適切な配慮をすべきこと

F 口蹄疫のまん延の防止に関する調査研究等

G 牛や豚の仲間で口蹄疫にかかる可能性のあるシカやイノシシなどに属する野生動物の監視等

H 病原体を運ぶ可能性のあるハエなどの駆除等の実施

などについて定めています。

第三 口蹄疫に対処するために要する費用の国による負担等

一 家畜伝染病予防法に基づく口蹄疫に対処するための費用の国による負担

口蹄疫にかかった牛や豚などのと殺を適切・確実に実施し、その所有者の経済的損害の全額を補償するため、手当金の交付のほかに、国が必要な財政上の支援を行うこととなりました。

家畜所有者が行う消毒や埋却等に要する費用・都道府県が獣医師を雇ったりワクチンを購入したりしたことなどに要する費用について、所有者や都道府県の実質的負担を生じさせないために必要な財政上の措置をとることとなりました。

二 口蹄疫に対処するために要する費用の国による負担等

  都道府県が行う@消毒や埋却等、A予防的に牛や豚などを処分した場合にその所有者に損失補償等として支払った費用については、国によって全部又は一部が負担されることとなりました。

三 家畜等の移動等の禁止等により生じた損失の補てん

  移動制限や家畜市場の自主的な開催の停止*などによって、えさ代がかかったり、出荷時期を過ぎて牛や豚が安くなったりした場合にも損害額が支払われることとなりました。

* 対象となる範囲の詳細については、農林水産省令で定められることになります。

四 農業者年金の保険料の免除等の特例

  今般の口蹄疫に関して、保険料の免除や追納についての特例が、政令で定められることとなりました。

第四 生産者等の経営及び生活の再建等のための措置

一 牛、豚等の家畜の生産者等の経営の再建等のための措置

  今般の口蹄疫のまん延で経営や生活が不安定になっている方々への事業の再建等に必要な資金の無利子の貸付けや、事業に使用する施設や設備を整備することなどのために必要な費用を助成するための取組が行われることとなりました。

二 地域再生のための基金等による支援

  地域経済の再建やその活性化を図るため、地域の実情に応じたきめ細かな措置を積極的に実施することができるよう、これらの措置に必要な費用に充てるための基金の設置などの措置がとられることとなりました。

第五 その他

一 税制上の措置

  口蹄疫のまん延が家畜の所有者に与える影響に配慮し、必要な税制上の措置が講じられることとなりました。

二 この法律は、平成24年3月31日まで効力を持つ時限立法とされています。

三 この法律が動き出す前に、第二の三の予防的な処分が行われたときにも、損失が補てんされることとなっています。